UEFAユーロ2016決勝ポルトガルVSフランス
UEFAユーロ2016決勝
今大会の決勝のカード、ポルトガルVSフランス。これまでに世界最高峰の選手を何人も輩出していますが、未だにチームとしてタイトルを手にしたことのない無冠のポルトガル。そして今回母国開催となり、大きなプレッシャーを背負いながら、16年振りの優勝を目指すフランス。両チームが欧州の頂点をかけて激突します。
悲願の初優勝を狙うポルトガルは、グループステージから大苦戦を強いられました。3戦3分けと1勝も挙げることができませんでしたが、なんとか決勝トーナメントまで残り、そして勝ちがり、決勝の舞台へと上がってきました。一方のフランスはグループステージから順当に勝ち上がり、準決勝では優勝候補であるドイツを破り、開催国としてのプレッシャーを跳ね除けて躍進を続けています。
決勝までの両チームの道のり
▽グループF
VSアイスランド 1ー1 引き分け
VSオーストリア 0ー0引き分け
VSハンガリー 3ー3引き分け
▽決勝トーナメント
VSクロアチア 1ー0 ※延長戦の末に勝利
VSウェールズ 2ー0
●フランス
▼グループA
VSルーマニア 2ー1
VSアルバニア 2ー0
VSスイス 0ー0
▼決勝トーナメント
VSアイルランド2ー1
VSアイスランド2ー0
VSドイツ 2ー0
スタートメンバー
○ポルトガル代表
▽GK
1 ルイ・パトリシオ
▽DF
21セドリック・ソアレス
3 ぺぺ
4 ジョゼ・フォンテ
5 ラファエル・ゲレイロ
▽MF
14 ウィリアム・カルバーリョ
16 レナト・サンチェス
23 アドリエン・シルヴ
10 ジョアン・マリオ
▽FW
17 ナニ
●フランス代表
▼GK
1 ウーゴ・ロリス
▼DF
19 バカリ・サニャ
21 ローラン・コシェルニー
22 サミュエル・ウムティティ
3 パトリス・エヴラ
▼MF
18 ムサ・シソコ
15 ポール・ポグバ
14 ブレーズ・マテュイディ
8 ディミトリ・パイェ
▼FW
注目選手
以上が今回のユーロ決勝のスタートメンバーとなりましたが、この中でも注目選手は誰が何と言おうとこの2人でしょう。ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドとフランスのアントワーヌ・グリエスマン。どちらも背中には「7」の数字を背負う両チームのエースがピッチに立ちます。クリスティアーノ・ロナウドはグループステージ2戦目までは得点ができず、批判を浴びていましたが、ハンガリー戦で2得点、準決勝のウェールズ戦でもチームを勝利に導くゴールを決め、ポルトガルを決勝の舞台へと引き上げる大仕事をやってのけました。対するフランスのグリエスマンは決勝トーナメントに入ってから躍動。決勝までに6得点を挙げ、今大会の得点王はほぼ間違いないでしょう。
両者の活躍にチームの勝利が掛かっているといっても過言ではありません。どちらがチームを勝利に導くのか。両エースの対決に注目です。
試合内容
前半戦はポルトガルの悲劇から始まりました。前半15分あたりにクリスティアーノ・ロナウドがフランスDFのパイェとの接触があり、そのまま表情を歪ませてピッチに座り込みます。一旦プレーを再開したが、痛みがひどかったのかわずか数分後にプレーを中断し、涙を流しながらピッチに座り込むクリスティアーノ・ロナウド。この時全観衆が息を飲んだことでしょう。クリスティアーノ・ロナウドのこの涙は自信の試合続行不可能を意味していました。サイドにはけてテーピングを施し、再度ピッチに立つも、やはり戦える状態ではありませんでした。そのまま前半23分で交代を要求。自らのキャプテンマークをナニに託し、担架で運ばれていきました。
波乱の幕開けとなった本試合。前半戦はクリスティアーノ・ロナウドの交代も影響しているのか、ボールの支配率、シュート数、パス成功率全てフランスが上回る結果に。両チーム共に得点につながってもおかしくないプレーが何度か見られたが、両チームのキーパーの好セーブにより、失点を防ぎました。
続く後半戦はポルトガルとフランス共に交代のカードを切り、戦況を変えようと試みるが、得点が動くことはなく、試合の結末を延長戦へと委ねます。
試合が動いたのは延長後半4分。途中出場のエデルが自らのドリブルで中央に持ち込み、そのまま右足を振り抜きゴール左隅へ見事な決勝弾を叩き込みました。この1点を守り抜き、念願の初タイトルをポルトガルが手にしました。
感想
個人的にはフランスの優勝を予想していたため、予想外の結果となりました。クリスティアーノ・ロナウドが退場することでポルトガルのチームに与える影響がネガティブなものになるのではないかと懸念していましたが、むしろここが今回の決勝を制することができた大きなポイントであったように思えます。クリスティアーノ・ロナウドに頼っていたポルトガルが彼を失うことで選手1人1人の果たすべき役目、責任感がより明確になり、チームに良い風をもたらしたように思えました。今回の優勝はポルトガルのさらなる飛躍が期待できる未来が切りひらけた一戦となったのではないでしょうか。
多くのチャンスがありながら、そのチャンスをものにできなかったフランス。結果としては準優勝となってはしまいましたが、多くの若手選手が活躍をし、各試合でその実力を世界に示しました。今回の決勝の悔しさを糧にさらなる成長が期待できそうです。
今回のUEFAユーロ2016はポルトガル優勝というサッカー界の歴史的瞬間を目にすることができました。1日の始まりとしてなんとも清々しい!このユーロ観戦でもうワールドカップが待ち遠しくて仕方がないぽんこつゆとりでした。
それでは皆様も良い1日をお過ごしください(笑)